印刷の基礎知識
表現の難しい色(転びやすい色)とは?
色が転ぶとは?
「色が転ぶ」とは、オフセット印刷で仕上がった印刷物の色が変化してしまうという意味です。
プロセスカラー印刷(CMYKの4色印刷)の特性上、表現が不得意な色が存在します。
転びやすい色とは
CMY3色で表現した焦げ茶系統の色・黒・グレーなど
CMYKでおおよその色味は表現できますが、CMYの3色を同程度の割合で配合し作成された、安定しないこげ茶系の色や黒色は、非常に転びやすい色となってしまいます。
転びやすい色の例1
転びやすい色の例2
例えば、CMYをすべて100%に設定するとモニター上では理論通り真っ黒になりますが、実際の印刷では必ずしもそうはなりません(赤みがかったり、青っぽくなったり予期せぬ色に仕上がります)。
CMYのみで特に濃度の高い色を表現するのはなるべく避けてください。色ムラが発生したり、モニター上とは全く違う予想外の色に仕上がってしまうことがあります。
色が転ぶのを避けるための対処法
こげ茶色・黒色を作成する場合
CMYカラーのみで作成せずに、「K」を混ぜて作成してください
K色は、色味を安定させるために重要です。
Kを少し配合し、そのうえで色を調節していただくと、比較的安定した色となります。
(※完全に安定させることは難しい場合があります)
グレーを作成する場合
CMYカラーのみで作成せずに、「K」のみでグレーを作成してください
CMYKを混色してグレーを作成された場合、不安定な色となります。
グレーを作成される場合は、K色の濃度を調節して作成していただくことをお薦めいたします。
(※また、グレー部分をグレースケールに変換していただくことも効果的です)