皆さま、いかがお過ごしでしょうか。
暑かった夏も終わり、急に寒くなってきた今日この頃、お風邪などひかれませんようにご自愛ください。
さて、データ作成の留意点+(プラス)の第4回です。もう4回目なのですね。早いものです。
第4回のテーマは「ファイル管理はシンプルに」です。
ファイル名がトラブルの原因となることがあります
印刷物の元となるデータを制作するときは、たくさんの写真やイラストなど、様々な素材が必要になってきます。
そのような素材がたくさん増えてくると、どれがどれやら分からなくなってきますね。
使う素材を識別するために、例えば「表紙に使う画像1.eps」など・・・、ファイル名からどのような画像/イラストなのか、推測しやすいファイル名にしたくなります。ところが・・・ファイル名のせいで、弊社にデータを入稿されたときに、思わぬトラブルとなってしまうことがあるのです。
一番多いトラブルとしては「画像があるのにリンクが切れてしまう」というもの。これには原因がいくつかあります。
- 1.2バイト文字を使用している
- 2.5C文字を使用している
- 3.特殊な記号をファイル名に使用している
多くは上記3点のいずれかにおいて、画像のリンク切れのトラブルになります。それでは、なぜトラブルが起こってしまうのか、それぞれの原因について詳しくご説明していきます。
1.2バイト文字を使用している
2バイト文字ってなんでしょうか。
簡単に言えば日本語のことです。厳密にいえば日本語ですとは言い切れないのですが、ここではそのようにしておきましょう。
- 次の文字は半角英数字。これらは1バイト文字といいます。
- 「ABCDEabcde12345….」
- 以下の文字はいわゆる全角文字。2バイト文字です。
- 「あいうえおかきくけこ12345・・・・」
日本語(ひらがな、カタカナ、漢字)を使用したファイル名は、作成作業中は推測/識別がとてもしやすく、作業がはかどるものです。しかし、2バイト文字をファイル名に使用することで、ファイル名の文字化けや認識できな文字があるねど、思わぬトラブルになることがありますので、ご注意ください。
2.5C文字を使用している
冒頭でご紹介した「表紙に使う画像1.eps」というファイル名は、Illustrator CSで使用したとき、リンク切れしてしまいます。
「表」という文字が、いわゆる5C文字に当たるため、Illustratorで認識できない文字となります。
そのため、リンクしたファイル名は、「表」が抜けた状態の「紙に使う画像1.eps」などとなってしまうのです。
(5C文字については、こちらをご確認ください)
当然名前が違うものとして認識されているため、画像のリンク切れ状態となります。
3.特殊な記号をファイル名に使用している
特殊な記号とは「/」「*」「半角スペース」「全角スペース」「#」「¥」などです。
これらの記号がファイル名に入っていると、お送りいただいたデータを弊社にて解凍/開封する際、トラブルになることがあります。
特殊な記号は全角、半角文字にかかわらず、以下のようなトラブルの事例がありました。
- 「リンク切れのエラーが出ないのにリンクパレットに?マークがついてしまう」
- 「解凍した瞬間に、記号が文字化けしてリンク切れ」
もっと特殊な例としては、フォルダ、ファイル名の先頭に「#」「.(ピリオド)」などを用いた場合…
- 特定のバージョンのソフトでしか開くことができない(#)
- 解凍した瞬間にファイルが消えてしまった!(.)
上記のようなトラブルが起きることがあります。
まとめ
ファイル名によって、再入稿となる事態を避けるためにも、ファイル名は以下の項目に気をつけて命名していただけますとトラブルは未然に防ぐことができるかと思います。
- 「1バイト文字を使用する」
- 「記号全般をフォルダ名、ファイル名に使用しない」
またフォルダ管理をうまく行うことによって、沢山の画像ファイルなども整理して作業を行うようにするとよろしいかと思います。
ですが、前回のBlogで掲載しましたように、入稿時には画像などと印刷用ファイルは同じ階層に置くこと、ファイル名が重複しないようにすることをお気をつけください。
色々ややこしいことを書かしていただきましたが、皆様のデータ作成の一助となれば幸いです。
ではまた。
(2016/8/22_一部加筆・修正しました)