こんにちは。編集長のワダです。4月も最終日、ゴールデンウィークも目前です。
DTP制作やWEB制作でも使えるPhotoshop。今回は、印刷用のデータを作成する際にチェックしていただきたい5つの基本ポイントをご紹介します。(※記事内の画像はAdobe Photoshop CC 2017のものです)
目次
【1】まずは単位の設定
Photoshopにはmm、cm、pixcel、その他にもinch、pointなど使用シーンに合わせた様々な単位が用意されています。
印刷物制作の際には「mm(cm)」と「point(線や文字)」を用いるのが一般的です。
[環境設定]→[単位・定規…]を選択
メニューバーのPhotoshopより[環境設定]→[単位・定規]を選択します。
単位の項目をそれぞれ以下のように変更します。
- 定規:mm
- 文字:point
注文サイズとデータのサイズが異なるとデータ不備となりますので、印刷物の作成の際はmm(cm)で設定してくださいね。
【2】アプリケーションカラー設定(カラープロファイル)
必須の設定ではありませんが、カラープロファイルを印刷用に設定しておくと、色の予期せぬ変化などが発生しにくくなります。
設定・確認は[編集]→[カラー設定]から。
弊社で推奨している設定は「プリプレス用-日本2」です。
「Japan Color」に沿ったオフセット印刷用のプロファイルである「Japan Color 2001 Coated」が組み込まれたプリセットとなります。
カラープロファイルの設定については、データ作成ガイドでもご説明しております。
カラープロファイルの設定
【3】カラーモードはCMYK
新規ファイル作成の場合
新規ファイルの作成は、メニューの[ファイル]→[新規]から。操作に慣れたらショートカットキー(command[Ctrl]+N)で。
ここでカラーモードを[CMYKカラー]に設定します。その他に確認・設定していただきたい項目は以下のとおりです。
- 幅/高さ(※Photoshopで印刷データを作成し入稿する場合は、希望の仕上がりサイズの上下左右に3mmずつ足した寸法で設定します。3mm分が塗り足しとなります)
- 解像度:300~350(ピクセル/インチ)
- カラーモード:CMYKカラー
写真やイラストのカラーモードを変更する場合
新規作成ばかりではなく、写真やイラストをPhotoshopで開いて編集することもありますね。
写真やイラストをPhptoshopで開く場合は、メニューの[ファイル]→[開く](command[Ctrl]+O[オー])より該当のファイルを選択して開きます。
デジカメ等で撮影した画像は、RGBカラーとなっているため、CMYKカラーへの変換が必要です。メニューの[イメージ]→[モード]より[CMYKカラー]で変換できます。
【4】解像度は原寸サイズで「300~350dpi」
新規で作成される場合は、上記でもご紹介したとおり解像度の項目を「300~350」に設定します。
お手持ちの写真やイラストを配置する場合や、編集する場合もまずは解像度の確認を。実寸で「300~350(ppi)」、ここがポイントです。
画像解像度は[イメージ]→ [画像解像度]から確認・変更できます。
少し遠目から見る印刷物(ポスターや大判・等身大のパネルなど)は「150~200」程度に設定しても大きな問題は発生しません。以下の記事をご参考までにご紹介。
【5】入稿データはレイヤーの統合(画像の統合)を行おう
Photoshopで作成したデータは、配置した画像やテキスト(文字)、シェイプなど複数のレイヤーで構成されています。データの入稿時はすべてのレイヤーを統合(画像化)してください。
統合のメリットは以下があげられます。データ作成の際と異なる環境でデータを開いた際の予期せぬトラブルを防ぐことができます。
- フォントの置き換わりや文字化けを防ぐ
- 非表示レイヤー、不要なレイヤーの削除
- 容量の削減
統合のデメリット・注意点としては、全てのレイヤーがまとまり画像化されるため、編集(修正)ができなくなる点です。統合前に編集可能な元データは必ず別に保存しておくようにしてくださいね。
統合の方法は簡単。レイヤーパネルの右肩のメニューから[画像を統合]を選択すればOK。(メニューの[レイヤー]→[画像を統合]を選択しても同じ結果となります。)
統合後の入稿データ保存は「PhotoshopEPS」形式をおすすめしております。
【知っていると便利な設定】移動ツールを使いやすくする
最後に、データには関係ありませんが、Photoshopを使う際に設定しておくと便利な機能をご紹介。
移動ツールを「自動選択(レイヤー)」にしておく(★)
レイヤーパネルからわざわざ編集したいレイヤーを選択していませんか?初期設定のままだと、編集したいレイヤーに切り替えて編集しなければなりません。(Illustratorを使い慣れていた私はPhotoshopって不便だなぁ…と思っていました。)
しかし、移動ツールを自動選択にしておくと、カンバス上でテキストや画像をクリックするだけでレイヤー毎の選択ができるようになります。
[移動ツール]を選択しオプションバーにある「自動選択」にチェック。さらに「自動選択」の隣のプルダウンを「レイヤー」に設定すれば設定完了。
Illustratorの選択ツールと同じように操作できるようになり作業も捗ること間違いなし!
いかがでしたか?Photoshopのデータ作成については、通販サイトでも詳しい作成ガイドを公開しております。データ作成の際はぜひご活用ください。