日々の生活の中で、目にすることの多いチラシ。
今回は、チラシが「いつごろから始まったのか」「どのような変遷をたどって現在のようなものになったのか」など、チラシの歴史や語源、さらには種類や活用シーンなどについて詳しく解説していきます。
チラシとは何?その歴史と語源
チラシは、現在の生活の中では、飲食店や各種販売店などが宣伝に使用したり、イベントを告知したり、そのほかさまざまな業種で広告媒体として使われています。
チラシは手軽で販促効果の高い広告・販促ツールとして、テレビ等のメディアが普及した今でも、有効な広告媒体として利用されています。
そもそもチラシとはなぜ「チラシ」と呼ばれているのでしょうか。
チラシの語源
チラシの語源は諸説ありますが「散らし」という言葉に由来するという説が最も有力です。
宣伝をする際に「ばらまく」「散らす」という行為から散らしと呼ばれるようになり、名詞であることを明確にするために漢字表記からチラシとカタカナ表記されるようになりました。
日本で初めてのチラシ
チラシの原型は「引札(ひきふだ)」と呼ばれていました。
「引札」は、客を引く札という意味から引札と呼ばれていたようです。ほかにも配ることを引くといっていたことから、配る札が転じて引札と呼ばれるようになったという説もあります。
1683年(天和3)、日本橋駿河町に開店した越後屋が配った「呉服物現金安値無掛値」という引札が始まりとされています。もっと古くは、安土城下の楽市で現在のチラシといえるものが撒かれていたという記録もあるようです。(安土城は、WAVEの創業地である滋賀県にあります^^)
越後屋の引札は当時の江戸の町全戸に配布し、その数は実に5万枚から8万枚ともいわれています。「現金安値無掛値(お安く現金でお買い求めいただけますよ~)」という分かりやすいキャッチコピー効果も相まって、越後屋は大繁盛。
つまり、このような引札が高い宣伝効果を上げることは、このころから社会基盤としてでき上がりつつあったことが分かります。
チラシの歴史
江戸時代のチラシ(引札)は、絵柄が描かれた状態の紙の余白に、店名や商品の名前などを木版印刷で入れるスタイルが一般的でした。越後屋の事例以降、しだいに引札の宣伝効果が注目され始め引札を使った宣伝活動も活発に行われたようです。
明治時代には、新聞の付録として臨時に配布されるようになり、それが商業の発展にともなって徐々に配布頻度が増加します。そして、明治時代の始めに「広告」という言葉が生まれたことで呼び方が引札からチラシに変わってきたといわれています。
さらに大正時代になると、本格的に新聞折り込みスタイルが定着してきたようです。
さまざまなチラシの呼び名
チラシというと、一般的には新聞に入っている折り込みチラシやポストに入っているチラシなどを連想するのではないでしょうか。実はチラシには目的や使い方によっていくつかの別の呼び方があります。
フライヤー
チラシを英語に直訳するとFlyer(フライヤー)です。
語源は飛行機やヘリコプターを使ってチラシをバラまくという方法で配布したことからきており、飛ぶものを意味することでフライヤーと呼ばれるようになったということです。
お国は違えど、日本での「散らす」から「チラシ」に転じた経緯と同じですね。
国内では、ライブイベントや映画の宣伝、美術館や博物館の展示のお知らせなどを「フライヤー」と呼ぶことが多いようです。会場に設置したり、専用のラックに設置されることが多く、しっかりとした厚めの用紙(90kg~135kg)が用いられます。
ビラ
紙片を意味する「bill(ビル)」や別荘販売の広告に記載されていた「villa(ビラ)」、また紙や葉を数える「枚(ひら)」に由来するなど、語源には諸説あります。
現在では、街頭で配布される広告を「ビラ」と呼ぶことが多い印象ですね。また配布だけでなく、街頭に貼られる貼り紙もビラと呼ばれます。
薄手の紙に単色で印刷されたものや小さめのサイズのものも多く見られ、色数を減らしたり、サイズを小さくすることで、コストを抑えつつ広く配布することができます。
リーフレット
リーフレットは、1枚の紙を折り曲げることでコンパクト性や機能性を持たせたものです。語源は若葉や小さな葉に由来しています。折りたたみパンフレット、ミニパンフレットと呼ばれることもあります。
チラシに比べて、厚めの用紙(110kg~135kg)を用いることが多くしっかりとした印象です。製品やサービスの案内、イベントや会場の案内等によく用いられます。
折り目部分のデザインや開いた時のインパクトを意識して紙面を作成する必要があります。
まとめ
一口にチラシといっても、その呼び方や用途、仕様はさまざまです。
普段よく目にするチラシですが、その歴史や語源までは知らなかったという人は多いかもしれません。それぞれの特徴や効果を理解したうえで使い分ければ、宣伝効果・販促効果も高まっていくことでしょう。
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