こんにちは。ブログ編集長の和田です。10月も後半…うっかりするとすぐに年末をむかえますね。
今回のテーマは、「ポスターなどの大判の印刷物は本当に解像度が低くてもそれなりに大丈夫なのか!?」かねてから私自身が気になっていた印刷サイズと画像解像度の関係について、実際に検証してみました。
年末のコミックイベントに向け、冊子の表紙データを引き延ばしてポスターにしたい、とお考えのお客様必見です!
やってみた経緯
イベントなどでチラシや冊子を作成したものの、PRのためのポスターも作りたいなぁ…とお考えになったことはありませんか?
写真やイラストを使った印刷物の画像解像度は、通常は300dpiから350dpiを推奨しております。
「ポスターなどの遠目で見るものに関しては、解像度は低めでも大丈夫です。」とはお伝えすることもございますが、「ほんとかなぁ」「せっかくのイラスト(写真)が粗く見えたらイヤだなぁ」とご心配になる気持ちよく分かります。お電話でのお問い合わせもよくいただいておりますが、言葉ではお伝えが不足しやすい内容でもあります。
そこで今回は、同じ写真・イラストを使って、画像解像度を350dpiで作成した場合と150dpiで作成した場合を実際に印刷し比較してみました。
今回の検証に使ったデータ
今回の検証のために、以下の2つの仕様でデータを作成しました。
(1)画像の解像度のみ変更
A2サイズのポスター。掲載する写真を解像度150dpiと350dpiの2種類で作成。
(2)印刷物のサイズと解像度を変更
- A4サイズのイラスト(350dpi)
- A4をA2に拡大(150dpiに変更)
(1)は、ポスターのサイズは決まっているが「サイズの小さい画像しか用意できない」という場合の参考に、(2)は冒頭でもご紹介した、「A4サイズのデータを引き延ばして使いたい」という場合の参考にしていただけます。
A4サイズのデータを2倍に引き延ばす方法
ここにA4サイズの画像データがあります。弊社の美少女キャラたち(少し季節外れの夏仕様です…)この画像データをPhotoshopを使ってA4(303mm×216mm※塗り足し込の寸法)からA2(600mm×426mm※塗り足し込の寸法)に拡大します。
解像度を落とすと寸法(幅・高さ)は大きくなる
さっそくA4の画像データを開き、Photoshop > イメージ > 画像解像度にて「解像度」の数値を変更します。(ここでは、解像度または寸法(幅・高さ)のどちらかのみ数値を変更します。今回は解像度の数値を基準にサイズ変更をしています。)
この時、再サンプルのチェックは必ず外してください。再サンプルについてはデータ作成の留意点+(プラス)「画像解像度」でも解説しています。
解像度の数値を小さくすると、寸法(幅・高さ)は自動的に大きくなりました。(ちなみにA4+塗り足しサイズの350dpiの画像を解像度を150dpiへ変更すると、画像の幅は303mm→707mmとなります。)モニタ上での見た目は全く変わらず、かわいくほほえんでくれているヾ(*´ω`)ノ゙
解像度の数値を小さくすると、画像の幅は707mmとA2サイズより少し大きめになったので、不要な部分はトリミングしました。塗り足し込みのサイズで調整完了!
寸法も解像度も大きくしたら良いのでは??
画像を拡大する場合、元の画像以上にキレイな仕上がりになることはありません。
もとの寸法より大きいサイズにする場合、画像の解像度を下げずにサイズ(寸法)のみ大きくもできますが、容量は大きく、仕上がりは粗くなります。
解像度の数値(350dpi)は変わりませんが、A4サイズの幅・高さを2倍にしたことで、足りない部分のドットが自動で補完されるためです。補完された分モヤッとした仕上がりになり、ドットの数は大幅に増えるためデータのファイル容量は大きくなります。容量が大きすぎて保存できない、入稿できないというトラブルの原因ともなります。
実際に印刷してみた
いざ入稿!今回はオンデマンド印刷のポスター・フォト光沢紙で注文。いわゆる市販のフォト光沢紙の大判タイプです。フォト光沢紙はパネル印刷でもお取り扱いがあります。
待つこと1日…オンデマンドのポスターは納期の早さが自慢!350dpiのデータと、150dpiのデータの差はいかほど!?
以下の画像は、
- ホームページ掲載のために印刷物をスキャニング後RGBに変換しました。画像補正等はしておりません。
- お客様のPC環境(モニター)により実際の色味とは異なる場合があります。
- 用紙・メディアによっては異なる結果となります。ご参考までにご参照ください。
写真を使ったポスターは、シャドウ部分の再現に若干の差が見られるものの、150dpiでもそれほどまでは粗いという印象はありません。(以下ほぼ実物大の画像です。)
ちなみに他のWEB担スタッフの中には、全く違いが分からない…と言っている者もおりました。この差異が気になるのはデザイナーさんくらいかもしれません。
イラスト画像の場合も、遠目に見るとすれば十分な見た目を保っていると言えます。150dpiでも境界線がジャギジャギと粗い、見るに絶えないといった印象ではありません。(以下ほぼ実物大の画像です。)
まとめ
検証の結果、駅や店頭に掲示するポスターなど、遠目に見る販促用・アイキャッチ用のポスターに関しては、画像解像度は150dpi程度でも十分といえます。手元でまじまじと見なければ粗さも気になりません。
販売用のポスターやグッズなど、お金を出して買っていただくポスターとしてご利用の場合は、やはり300dpi以上をオススメいたします。
ただしキレイに仕上げたいからといって350dpi以上の解像度に設定していただいても、印刷機の性能上仕上がりにほとんど差異はでませんので、適切な解像度の設定をお願いいたします。
今回の検証はオンデマンド印刷のポスターでの結果となります。印刷方式・データの種類/形式によっては異なる結果となる場合もございますので、ご参考までにご参照ください。
※解像度の単位について
PhotoshopやIllustratorなどではppi(pixel per inch)で表記されますが、今回の記事では一般的な呼称であるdpiという表記で統一しております。
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