文書の書き方

2021.09.02  

漢字の開きを意識してみよう

漢字の開きを意識してみよう

担当スタッフいつも印刷のウエーブをご利用いただきありがとうございます。
突然ですが、文章作成って難しいですよね。
文章構成や接続詞、句読点など注意するべきポイントは山のようにあり、いつも頭を抱えています。

私と同じように文章作成で悩まれている方のお役に少しでも立つことができれば……!との思いで、今回のブログテーマは「漢字の開き(ひらき)」についてご紹介いたします。

漢字の閉じ・開きを意識して作成すると、読みやすい文章になります(・∀・)ノ

閉じと開きって、なに?

漢字の「閉じ(とじ)」と「開き(ひらき)」は、ライターや作家などが使用する編集用語です。文言を漢字にすることを「閉じ(とじ)」、ひらがなにすることを「開き(ひらき)」といいます。

漢字の開きでバランスをとる

日本語の文章は、漢字・ひらがな・カタカナ・数字・アルファベットと多くの文字を組み合わせて作成します。そのため、文章全体をバランス良く、わかりやすい言葉で伝えることが重要です。

“ひらがなだけ”の文章や“漢字がたくさん”の偏った文章は読みにくいですよね。それゆえ、漢字の開きは文章作成において意識するべきポイントとなります。

どうやって使い分ける?

漢字の閉じ・開きは、ルールを設けると初めての方でも使い分けることができます。一般的に、常用外の漢字や当て字は開く。簡単に言えば、難しい漢字は多用しないことがコツです。

なるべく「漢字ではなく、ひらがなに」と考えると判断できますよ。記者ハンドブックや、官公庁の公文書の書き方を参考にされている方が多いようです。

公用文における漢字使用は,「常用漢字表」(昭和56年内閣告示第1号)の本表及び付表(表の見方及び使い方を含む。)によるものとする。 なお,字体については通用字体を用いるものとする。

『公用文における漢字使用等について』

漢字 閉じ ひらがな 開き
分かる わかる
出来る できる
予め あらかじめ
凄い すごい
又は または
ため
致します いたします
〜して下さい 〜してください
有難う御座います ありがとうございます
※小説など、内容や作品の持つテイスト・作風により、あえて漢字を閉じて使用されていることもあります。

迷ってしまったら自問しよう

【閉じた文章】
済みません、其処に在る帽子を取って下さいませんか。 有り難う御座います。
【開いた文章】
すみません、そこにある帽子を取ってくださいませんか。 ありがとうございます。

【開いた文章】は、主要な言葉だけが漢字になるので読みやすいですよね。
一方、【閉じた文章】のように漢字を多用してしまうと、漢字が読めなかったりスムーズに読めずに詰まってしまうことがあります。

もし、漢字の開きで迷ってしまった場合は「日常でこの漢字は使うか」「文章を手書きする場合、この漢字を自分は使用するか」と自問してみると、閉じ・開きの判断がしやすくなります。
「この漢字は使わないな!」と感じたら、その文字は開いてみましょう。

慣れてきたらルールを追加しよう

そのほかにも、複合動詞は後ろだけ開く、同じ語句が連続する場合は前の漢字だけ閉じる、などの細かなルールを追加すると、文章の仕上がりはさらに良くなります。

  漢字 閉じ ひらがな 開き
複合動詞 走り続ける 走りつづける
副詞 暫く しばらく
接続詞 なお
同じ語句が連続する 一人一人 一人ひとり

まだまだ勉強中の身ですが、以上のことを意識して文章を作成しています。漢字の閉じ開きが適度な文章は、きちんとした印象や柔らかな印象になります。説明文なども高圧的にならずやさしく見えたり……。と個人的には思うので、しっかりと使えるようにしたいですね(・∀・)

以上、ざっくりではありますが「漢字の開き」についての紹介でした。微力ながら、みなさまのお役に立てれば幸いです。