寒くなってきましたね。
秋は少し寂しい気持ちになる事が多い今日この頃。
印刷のウエーブの上坂です。
今回の留意点プラスは、「カラー設定」です。
IllustratorやPhotoshop、Indesignなどのデザイン用ソフトには、「カラー設定」という項目があります。
このカラー設定ですが、実は印刷物を作成するにあたって、非常に大切な項目です。
一度、ご使用のアプリケーションでご確認ください。
IllustratorやPhotoshop、InDesignは、カラー設定の項目が共通していますので、今回はIllustratorの項目で説明します。
Adobe Illustratorのカラー設定
Illustrator「編集」から、「カラー設定」を選択します。
すると、いくつかの項目が出てくると思います。
デフォルトの設定では「プリプレス用-日本2」という設定が使用されていると思います。
弊社で推奨する色再現の差異が少ない設定は、デフォルト設定から若干変更したものになります。下記の設定を参考にしてください。
カラー設定(ウエーブ推奨設定)
1. 詳細設定モードにチェックを入れます
これで、詳細を設定することが可能になります。
2. 「作業スペース」
「作業スペース」の設定は、下記のように設定してください。
● RGB→「Adobe RGB(1998)」
● CMYK→「Japan Color 2001 Coated」
★作業スペースとは
作業スペースとは、実際に作業を行うにあたっての見た目の色再現の設定です。
● RGB・・・
RGBのオブジェクトがあるときの見え方、出力のカラーモードの設定です。
(Illustratorの場合なら、RGBモードでの書類作成時に使用するものです。)
● CMYK・・・
印刷用データ作成の場合は、こちらがメインです。印刷物はCMYKモードで作成することが基本です。
つまり、要素を使用した時に、色再現方法を、どのカラープロファイルを使用して表示、印刷するかという設定です。
CMYKモードの書類に対して、RGBモードの画像などを配置した時には、色味がくすんで見えますよね。
これはどういうことかというと、CMYKモードの書類に対してRGBモードのオブジェクトを配置すると、Japan Color 2001のプロファイルが適用され、”見た目の色味”に変換される、ということです。
3. カラーマネジメントポリシー
全て「埋め込まれたプロファイルの保持」に設定してください。
★カラーマネジメントポリシーとは
カラーマネジメントポリシーとは、カラー設定などが異なる環境でファイルを開いた時に、ファイルに埋め込まれているプロファイルをどのように扱うかの設定です。
ここでは、一度設定したプロファイル設定を変更されては困ることになります。
ですので、プロファイルは保持する設定にする必要があります。
4. 変換オプション
変換方式→「知覚的(Adobe ACE)」
黒点の補正→使用する(チェックを入れてください)
★変換方式「知覚的(Adobe ACE)」とは
変換方式「知覚的(Adobe ACE)」とは、知覚的に変換するという設定です。
カラー値が変更された場合でも、人の目に色が自然に映るように、色間の視覚的な関係を保護します。
★黒点の補正とは
Adobe RGB 等の広いカラースペースからCMYKの狭いカラースペースに変換した際に、画像内の暗い部分の詳細が失われないようにします。(変換時のトーンの飛び等を防ぎます。)
Adobe Photoshopの場合
Photoshopの場合は、「ディザを使用」を設定します。
これは、カラースペース間で画像を変換するとき、色のディザ処理を行うかの設定です。ディザ処理を行うと、カラースペース変換時に発生しがちな画像のムラやグラデーション部分のトーンの飛びを抑えることが可能です。
以上です。
印刷用データの作成作業は、基本的に、Illustrator・Photoshop・InDesignを連携させた作業になると思います。そのため、全てのアプリケーションにおいて、同じ設定をしていただくことをお勧めします。
Adobeアプリケーション「Adobe Bridge」で、カラー設定を同期させることも可能です。
誤ったカラー設定でデータ作成された場合、印刷物の仕上がりに多大な影響を及ぼしますので、ご注意ください。
各設定はプリセットとして保存できますので、複数の印刷会社様を利用している方は、「WAVE用」などの名前でプリセットを保存しておくと便利かもしれませんね。
それでは今回はこの辺で。
またよろしくお願いします。