今回は、Photoshopの描画モード「乗算」についてご紹介します。
乗算はとっても実用的で、結果色の予測もしやすいので、私もよく利用します(‘-‘*)
乗算とは
乗算…と聞いて、まず思い浮かぶのが「かけ算」ですが、このブレンドモード「乗算」も、 色のかけ算をしたような効果が得られます。
というのも、乗算モードは色の掛け合わせのようなもので、下レイヤーと上レイヤーを混ぜた色が結果色となります。
そのため、上の図のように、ピンク色のチューリップに青い蝶々のイラストを乗算で重ねた結果、重なった部分のチューリップの色は、ピンクと青が混じったむらさきのような色になりました。
オフセット印刷でフルカラーを表現する際も、
M(マゼンタ)+C(シアン)= 紫色
となったり、
Y(イエロー)+C(シアン)= 緑色
となったりします。
これと同じように、乗算の効果は、色を足せば足すほど黒に近い色に変化していく仕組みとなっているのです。
このように、絵の具を混ぜるような感覚で、色を変化させることができるため、レイヤーの合成の基本の描画モードとなっています。
乗算モードの活用例
乗算は、色の重なり感を表現したいときや、影の部分をより強調するときなどに活用できます。下レイヤーのテクスチャが透けるような仕上がりとなるので、合成する際にも自然な結果が生まれやすく、大変使いやすいのです。
カラーフィルムを重ねたような表現
乗算モードにすることで、色の重なりを簡単に表現する事が可能です。
下レイヤーのハート型が保たれたまま、色のみが上のレイヤーに応じて変化しているのがわかります。
下レイヤーのテクスチャを活かした自然な合成
下レイヤーのテクスチャを活かして合成するため、上レイヤーに小鳥の写真を乗算で重ねています。この場合、上レイヤーの小鳥の背景が白っぽい色であるため、小鳥のシルエットを切り抜かなくても、乗算をすれば自然な合成が可能です。
下レイヤーを塗りつぶす(影を作る)合成
影をつけたい場合にも、乗算モードが活躍します。カンバスの端ほど濃い色になっていくグラデーション画像を乗算で重ねると、結果色は焼き込みが入ったような表現となります。グラデーションの中心は白いため、結果色に大きな変化は見られません。
モノクロ写真に色を付ける
モノクロ写真の白い部分に色をつける際にも、乗算モードで色ベタを重ねることで、簡単に合成できます。バラの花びらの、より白い部分は明るい赤に、中間色(グレーの部分)は暗い赤に変化しているのが分かります。
瞳の色を変える・チークをのせる
細かい画像補正を行う際にも、乗算をうまく利用すると、自然な変化をつくり出せます。上の図では、女性の瞳部分に茶色い塗りつぶしと、頬にうすいピンクをひいています。それを乗算で重ね、最後に瞳の光を入れて、自然な仕上がりに補正しています。
乗算を繰り返して写真の明るさを暗くする
元のレイヤーを複製し乗算モードで重ねていくと、結果色はどんどん暗く、コントラストは強くなります。
明るさやコントラストは色調補正ツールでも変更できますが、描画モードを変えて重ねるだけで変更する方法も覚えておくと便利かもしれませんね^^
まとめ
いかがでしたでしょうか?
乗算モードは表現の幅も広く、さまざまな効果に活用できます!ぜひ試してみて下さい☆