今回は、データ作成虎の巻第4弾「裏移り」「裏抜け」について。仕上がった印刷物にインキが擦れたような汚れが付いたり両面印刷なのに片面の絵柄が透けて見える…など、印刷後のトラブルである「裏移り」「裏抜け」。実は、データ作成の段階で防ぐことができます!
「裏移り」「裏抜け」を防ぐデータ作成についてご紹介します。
裏移りって何?
印刷した際インキが乾く前に、重なり合う紙にインキが移ってしまうことを「裏移り」と言います。4色ベタ(もしくはレジストレーションカラー)や断裁位置の近くに濃い色のオブジェクトを配置をしていると起こりやすい現象です。
また、紙種と印刷機の組み合わせによってはインキの乾燥速度がやや遅くなり、裏移りが発生することもあります。
裏移りを防ぐ方法は?
裏移りを防ぐためには、濃度オーバーにご注意ください。
濃度オーバーとは、CMYKの合計値がインキ濃度の許容値を超えていることを指します。
文字やオブジェクトなどに4色ベタ(もしくはレジストレーションカラー)が使用されていると、CMYKそれぞれの値が100%ずつで、合計400%の高濃度となります。この場合、濃度が非常に高く、許容量を超えた大量のインキが紙に印刷されることになります。
縁(フチ)が濃い色のデザインは避ける(紙端(裁ち切り)に濃い色を設定しない)
断裁位置に濃い色を配置すると、裁ち切りの際に用紙同士に圧力がかかりインクが移ってしまう可能性があります。
裏移りしても目立ちにくいデザインに
ベタ面の多いオブジェクトの配置しない、表裏でコントラストが強いデザインを避ける他に明度の高い色を使うと裏移りをしても目立ちにくい仕上がりになります。
裏抜けって何?
「裏抜け」とは、両面にデザインされた印刷物の裏側からも表側の絵柄が見えてしまう状態です。薄い紙に印刷した際に起こりやすく、インキの総使用量が多いときに発生します。これは、印刷のトラブルではなく、デザインや印刷物の仕様(特に用紙の厚み)によることが大きいと言われています。
裏抜けを防ぐ方法は?
裏抜けを防ぐためには、用紙変更するなど用紙の厚さで軽減することができます。コート紙90kgからコート110kgに変更するだけでも裏面が透けにくくなりますよ。
その他に、暗めの配色ではなく、ペールトーンやライトトーンなど明るい配色でデザインをすることで、裏抜けが目立ちにくくなります。
暗い配色のデザイン
明るい配色のデザイン
裏移り、裏抜けは印刷トラブルでも予防ができる現象です。ぜひ印刷物をご注文・作成される際は、用紙・データ2つの点を意識していただくことをおすすめします。トラブルの少ない印刷物を作成することができますよ。